バイヤージャーニーとは?
バイヤージャーニーとは、B2Bの購買担当者や企業が、課題に気づいてから製品やサービスを選び、購入を決めるまでの道のりのことです。 一般的には、課題を認識する段階、解決の方法を検討する段階、製品やサービスを比較して選ぶ段階の3つに分けて考えます。段階ごとに、買い手が何に悩み、どんな情報を探し、社内の誰が関わるかを整理し、必要な情報やコンテンツを用意するために使います。 消費者を中心に使われるカスタマージャーニーと比べると、購買に複数の人が関わること、社内の稟議や比較検討に時間がかかることを前提にしている点が特徴です。段階ごとの整理を図や表にしたものは、バイヤージャーニーマップと呼ばれます。
バイヤージャーニーに関する記事・資料
バイヤージャーニーに関連する記事1件・資料1件。
- 2026.10.03読了8分記事顧客を理解するBtoBのバイヤージャーニー活用術|社内稟議を動かすコンテンツ設計と可視化の仕組み担当者は前向きなのに商談が社内で止まる方へ。BtoBのバイヤージャーニーを、担当者が上長や決裁者に説明する動きまで含めて使う方法を紹介します。稟議に使える社内説明素材の例、フェーズ別の閲覧の可視化、購買グループでの顧客管理まで。記事を読む
- 2026.10.03PDF資料無料資料顧客を理解するペルソナとバイヤージャーニーペルソナやバイヤージャーニーを作りたいが、どの形で書けばよいか迷う。このテンプレート集は、ペルソナ3パターンとバイヤージャーニー4パターンを、部品メーカーの記入例と注意点つきで収録しています。担当者・上長・決裁者を書き分けたペルソナから、検討の5段階のジャーニー、試作・評価の段階を足した形、受注後の2回目の発注までを描く形まで、目的に合わせて選べます。14ページで、ダウンロードしたその日から使えます。資料を見る
バイヤージャーニーが必要になる課題
- 記事や資料を増やしているが、製品の紹介ばかりで、まだ課題を整理している段階の見込み客に届いていない
- リードの数は増えたのに、営業に渡すと「まだ情報を集めているだけだった」と言われ、商談につながらない
- 現場の担当者には好評だった提案が、上司や購買部門、経営層のところで止まり、なぜ止まったのかがわからない
バイヤージャーニーの構成要素
バイヤージャーニーは、一般に認知・検討・決定の3つの段階に分けて考えます。段階によって、買い手が探している情報も、検索に使う言葉も変わります。
| 段階 | 買い手の状態 | 探している情報 | 届ける情報の例 |
|---|---|---|---|
| 認知(課題の認識) | 困りごとに気づき、原因を調べ始めている | 課題の原因、ほかの会社がどう対処しているか | 課題の解説記事、業界の調査レポート、チェックリスト |
| 検討(解決策の検討) | 課題を言葉にでき、解決の方法を比べている | 方法の種類、それぞれの長所と短所、費用の目安 | 方法の比較記事、ホワイトペーパー、セミナー |
| 決定(製品・企業の選定) | 方法を決め、どの製品・会社にするかを選んでいる | 仕様、導入事例、価格、納期、サポート体制 | 導入事例、製品の比較表、見積もり、サンプル・デモ |
たとえば加工ラインの不良に悩む製造業の買い手は、認知の段階では「不良の原因」を、検討の段階では「対策の方法と比較」を、決定の段階では「メーカー名と価格」を調べます。認知の段階の買い手は、まだ製品名で検索しません。
BtoBでは、段階に加えて、購買に関わる人ごとに整理します。
| 関わる人 | 主に気にすること |
|---|---|
| 現場の担当者・使う人 | 今の困りごとが解決するか、使いやすいか |
| 上司・部門長 | 部門の目標に効くか、現場の負担は増えないか |
| 技術・品質部門 | 仕様や品質の基準を満たすか |
| 購買部門 | 価格、取引条件、納期、取引先としての信頼性 |
| 決裁者(経営層) | 費用対効果、導入の実績、失敗したときのリスク |
実際のBtoBの購買は、段階を一方向に進むとは限りません。調査会社のガートナーは、BtoBの購買を、課題の特定、解決策の探索、要件の定義、提供企業の選定、検証、社内の合意形成という6つの仕事に分け、買い手はこれらを行き来しながら並行して進めると整理しています。
作り方と判定基準
バイヤージャーニーは、次の手順で作ります。
- 対象を決める。製品と、狙う顧客の層を1つに絞る
- 購買に関わる人を洗い出し、それぞれのペルソナを置く
- 受注した案件と失注した案件を、最初の接点までさかのぼる。商談の記録や顧客へのインタビューをもとに、段階ごとの行動、疑問、接点を書き出す
- 段階ごとに、届ける情報と、次の段階に進んだことを示す行動を決める
- 足りない情報を作り、段階ごとの件数を追って見直す
見込み客がどの段階にいるかは、行動で判断します。
| 段階 | 判断の目安になる行動 |
|---|---|
| 認知 | 課題や原因を調べる言葉で検索して記事を読む、メールマガジンに登録する |
| 検討 | 方法の比較資料をダウンロードする、セミナーに参加する、同じテーマのページを繰り返し見る |
| 決定 | 導入事例・仕様・価格のページを見る、見積もり・サンプル・デモを依頼する、問い合わせる |
判断と運用では、次の点を押さえます。
- 1つの行動だけで段階を決めず、複数の行動を組み合わせて判断する。営業に渡す基準(MQL)とそろえておく
- 社内の想像で作らず、受注・失注した案件の事実から作る
- 担当者向けの情報だけでなく、決裁者が判断に使う情報(費用対効果、導入実績、リスクへの備え)も用意する
- 社内の合意が取れずに検討の段階へ戻ることを前提に、戻ったときに届ける情報も決めておく
似た用語との違い
| 用語 | 意味 | バイヤージャーニーとの違い |
|---|---|---|
| カスタマージャーニー | 顧客が製品を知ってから購入し、使い続けるまでの体験全体 | 購入後の利用、継続、追加の購入まで含む。バイヤージャーニーは購入を決めるまでに絞ったもので、カスタマージャーニーの前半にあたる。日本ではBtoBでもカスタマージャーニーと呼ぶことが多く、ほぼ同じ意味で使われる場合もある |
| マーケティングファネル | 認知から購入までの段階ごとに、人数が絞られていく様子を表したもの | ファネルは段階ごとの件数と転換率を測る、売り手の側の管理の枠組み。バイヤージャーニーは、買い手が各段階で何を考え、何を探すかを描く。ジャーニーで決めた段階を、ファネルの数字で追う形で組み合わせる |
| 営業プロセス | 売り手が、商談の開始から受注までに進める手順 | 営業プロセスは売り手の手順、バイヤージャーニーは買い手の手順。両方の段階を対応させておくと、どの段階で営業が関わるかを決めやすい |
| ペルソナ | 典型的な顧客像を、一人の人物として具体的に描いたもの | ペルソナは「誰が買うか」、バイヤージャーニーは「その人がどう選ぶか」を描く。ペルソナを先に決め、その人のジャーニーを描く |
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