LTVとは?
LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)とは、1社の顧客が取引を始めてから終えるまでの間に、自社にもたらす利益の合計のことです。代表的な計算式は「平均の年間取引額 × 粗利率 × 平均の取引継続年数」です。 売上ではなく粗利で計算すると、獲得や維持にかけられる費用の上限を考える材料になります。 B2Bでは、追加の発注や消耗品・保守の取引が続くことで、初回の取引額よりLTVが大きくなる場合があります。LTVは、新規顧客の獲得コストであるCACと比べて、獲得にかけた費用が見合っているかを判断するために使います。既存顧客との取引を伸ばす施策の効果を測る指標にもなります。
LTVに関する記事・資料
LTVに関連する記事2件。
- 2026.10.14読了8分記事トレンドをつかむBtoBマーケの評価軸は「リード数」から「CAC」へ|2026年の変化と、経営に通る報告の形リード獲得単価の上昇を背景に、BtoBマーケの評価軸はリード数からCACと回収期間へ移っています。CPLが安い施策ほどCACが高くなる理由と、KPIツリーに許容単価を書き足す管理方法、経営への月次報告書の形を解説します。記事を読む
- 2026.10.09読了7分記事方向性を決める新規1社にいくらまでかけてよいか|BtoBのCAC回収期間とLTVを粗利で出し、「何年で取り返すか」を経営と決める新規顧客の獲得にいくらまでかけてよいかを聞かれたマーケ責任者向けに、1社の年間粗利と取り返す年数から上限を出す計算を解説。CAC回収期間の出し方、BtoBのLTVを受注データで確かめる方法、年数の決め方がわかります。記事を読む
LTVが必要になる課題
- 新規1社の獲得にいくらまでかけてよいかを経営に聞かれ、根拠のある金額を答えられない
- 初回の受注額だけで施策を評価し、2年目以降も取引が続く顧客を獲れている施策まで止めてしまう
- 既存顧客への追加の提案(保守・消耗品・補修部品)に、どこまで手をかけるべきか決められない
LTVを構成する要素
LTVは、次の3つの数字の掛け算で決まります。
| 要素 | 中身 | 見るデータ |
|---|---|---|
| 年間取引額 | 1社が1年に発注する金額。初回の受注に加え、保守・消耗品・補修部品・リピートの受注を含める | 経理の取引先ごとの売上の明細 |
| 粗利率 | 取引額のうち、粗利が占める割合 | 経理・財務の原価のデータ |
| 継続年数 | 取引が始まってから止まるまでの年数 | 受注データ(2年目・3年目も取引がある割合) |
LTVには、売上で出す方法と粗利で出す方法があります。
| 種類 | 出し方 | 使いどころ |
|---|---|---|
| 売上ベース | 年間取引額 × 継続年数 | 顧客の規模を比べるとき |
| 粗利ベース | 年間取引額 × 粗利率 × 継続年数 | 獲得コストの上限や投資の判断に使うとき |
獲得にかけてよい費用と比べるときは、粗利ベースを使います。売上ベースのままCACと比べると、原価の分だけ採算を高く見積もることになるためです。
計算式・判定基準
BtoBで受注ごとに取引する事業では、年単位でまとめる式が扱いやすくなります。
LTV(粗利ベース)= 年間取引額 × 粗利率 × 継続年数
事業の形によって、使う式が変わります。
| 出し方 | 式 | 向いている事業 |
|---|---|---|
| 年間取引額ベース | 年間取引額 × 粗利率 × 継続年数 | 受注ごとに取引するBtoB(部品・設備・保守など) |
| 購入回数ベース | 平均購入単価 × 年間の購入回数 × 粗利率 × 継続年数 | 購入の回数を数えやすい事業 |
| 解約率ベース | 1か月の粗利 ÷ 1か月の解約率 | 月額課金の事業 |
計算例は次のとおりです。
- 新規顧客1社の年間取引額:250万円
- 粗利率:40%
- 継続年数:5年
1社の年間粗利は100万円(250万円 × 40%)、LTVは500万円(100万円 × 5年)です。
計算するときは、次の2点に注意します。
- 年間取引額と継続年数は、直近数年に新規で入った顧客の実績から出す。既存顧客全体の平均を使うと、長く続いて取引額が大きくなった顧客に引っ張られ、新規の顧客には届かない高い数字になる
- 継続年数は見込みの数字なので、LTVは将来の粗利の目安として扱う。2年目・3年目の取引の実績が出たら、その数字に置き換える
似た用語との違い
| 用語 | 意味 | LTVとの違い |
|---|---|---|
| CAC | 新規顧客1社の獲得にかかった費用 | LTVは1社から得る粗利の合計、CACはそれを得るためにかけた費用。2つを並べて、獲得の採算を見る |
| CAC回収期間 | CACを、1社の1か月の粗利で取り返すのにかかる月数 | LTVは取引が続く年数の見込みに左右される。回収期間は、かけた費用が何か月で戻るかを示す |
| 顧客単価 | 1回、または1年あたりの取引額 | LTVは、継続年数まで含めた取引の合計 |
| ROI | 投資額に対して得た利益の割合 | ROIは施策や投資全体の効率、LTVは顧客1社あたりの価値 |
LTVとCACを使うと、新規1社の獲得にかけてよい費用の上限を決められます。
- 獲得コストの上限 = 1社の年間粗利 × 取り返す年数
- 取り返す年数をLTVの継続年数と同じにすると、上限はLTVと同じ額になる
上の例なら、1.5年で取り返す場合の上限は150万円、5年で取り返す場合は500万円(LTVと同額)です。LTVは取引が続く年数の見込みに左右されるため、上限は、経営と決めた取り返す年数で置くのが扱いやすい方法です。
関連用語
- CAC:新規顧客1社の獲得にかかった費用。LTVと並べて採算を見る
- CAC回収期間:獲得にかけた費用を、1社の粗利で何か月で取り返せるかを示す
- ユニットエコノミクス:顧客1社あたりの採算。LTVとCACの関係で表す
- CPL:リード1件あたりの獲得費用。CACの上限から、許容できるCPLを逆算できる
- ROI:投資に対して得た利益の割合。施策全体の投資効果を見るときに使う
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