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STP分析とは?

STP分析とは、セグメンテーション(Segmentation:市場の細分化)、ターゲティング(Targeting:狙う市場の選定)、ポジショニング(Positioning:競合に対する立ち位置の決定)の3つの頭文字を取った、マーケティング戦略の基本的な考え方です。フィリップ・コトラーが提唱しました。 まず市場を業種・規模・地域・課題などの軸で分け、次に自社の強みが生きて採算が合う市場を選び、最後にその市場の顧客から見て競合とどう違うかを決めます。B2Bでは、業種や企業規模で分けるだけでなく、購買に関わる人や抱えている課題まで見て分けると、狙う市場と訴える内容が決めやすくなります。

STP分析に関する記事・資料

STP分析に関連する記事5件・資料1件。

形式
工程決めること問い
S:セグメンテーション市場をどの物差しで区切るか市場はどう分かれているか
T:ターゲティングどの集団を、どれだけ狙うか市場は何件あって、いくつ獲れるか
P:ポジショニングその集団の中でどう見られるか競合と何が違うと言うか

STPが決めるのは「誰に」です。「何を、いくらで、どこで、どう伝えるか」(4P)はその後に来ます。順番を逆にして施策から入ると、当たり外れの理由を説明できなくなります。3つの工程は順番に依存していて、区切り方(S)を変えると市場規模(T)も位置取り(P)も変わります。

枠組みは同じでも、B2BとB2Cでは区切る単位と物差しが違います。B2Cは「人」や「世帯」を、年齢・性別・地域・ライフスタイル・購買行動で区切ります。B2Bは「企業」や「事業所」を、業種・従業員規模・地域・購買の仕組みで区切ります。使うデータも、B2Cは国勢調査や消費者調査、B2Bは経済センサスや有価証券報告書と分かれます。

このページは、STP分析に関する記事をまとめたタグページです。B2BとB2Cで記事を分けているので、関心のある方から読んでください。

STP分析の3工程を、B2B・B2Cの両方で

S:市場を区切る。 物差しは複数ありますが、使えるのは「大きさを数えられる」物差しだけです。B2Cなら地理・人口統計(年齢・性別・世帯)・心理・行動の4つ、B2Bなら企業属性(業種・規模・地域)・技術・行動・ニーズの4つが定石で、このうち公的統計で市場全体を数えられるのは、B2Cでは地理と人口統計、B2Bでは企業属性です。数えられる軸で先に区切り、数えられない軸は自社の顧客データや個別の調査で後から重ねます。

T:市場規模を固定して、狙う集団を決める。 市場全体(TAM)、自社が届く範囲(SAM)、実際に獲れる範囲(SOM)の順に、外側から固定します。候補が複数あるなら、1つに決め打ちせず、候補セグメントの評価基準6R(優先順位・規模の有効性・到達可能性・測定可能性・成長性・競合状況)で並べて比べます。

P:位置取りを決める。 狙う集団の中で、競合と何が違うと言うかを決めます。B2Cでは顧客の知覚を2軸で描く方法(ポジショニングマップ)が定石で、B2Bでは買い手が複数いるので、先に顧客の判断基準(KBF)を出し、そのうち重要で差がつく2つを軸にして位置取りを選びます。

B2CのSTP分析:定石どおりに進める

B2Cは、区切る単位が「人」と「世帯」で、STPはもともとこの前提で組まれています。定石どおりに進めるための要点は3つ。

1. 数えられる軸から区切る。 地理(都道府県・市区町村)と人口統計(年齢・性別・世帯構成・所得)は国勢調査や家計調査で市場全体を数えられます。ライフスタイルや価値観(心理)、購買頻度やブランド選択(行動)は自社の会員・購買データや調査でしか分かりません。市場規模は前者で、深掘りは後者で。

2. 市場規模は「人数 × 購買率 × 単価」で組む。 区切った集団の人数に、カテゴリーの購買率と年間の購入額を掛けて市場規模を出します。購買率と単価は家計調査と自社データで置きます。

3. ポジショニングは知覚で決まる。 B2Cでは、自社が何を言うかより、顧客がどう思っているかが位置取りです。知覚を2軸で描いて空いている場所を探す、という定石がそのまま効きます。

B2Cの記事とツールは準備中です。公開したら、このページの一覧に自動で並びます。

B2BのSTP分析:定石と異なる3点

B2Bは顧客が「企業(事業所)」なので、上の定石をそのまま当てはめると3か所で崩れます。

1. 単位がずれる。 顧客は「企業」ですが、統計は「事業所」(本社・支社・工場などの場所)を数え、営業リストは「法人」です。統計で数え、法人番号で名寄せしてリストにする、と単位を意識して渡す必要があります。

2. 変数が違う。 年齢・性別・ライフスタイルは使えません。企業属性(業種・規模・地域)で区切って市場規模(事業所数)を確定し、購買の仕組みやニーズは営業データで重ねます。市場規模も「事業所数 × 単価」で組みます。

3. 順番が逆になりがち。 製品の強みから位置取り(P)を先に決め、それに合う市場を後から探す進め方をよく見ます。B2Bでは市場規模が先です。市場が小さければ、どんな位置取りも成り立ちません。

B2Bの3本の記事は、同じ題材でつながっています。

  • S:地域(東京都)と規模(50人以上の事業所)を先に固定し、95の業種を「頭数・集積・伸び・カネ」の4つの物差しで比べる。核はインターネット附随サービス業(489件)。隣の業種を足した2案、A案=+広告業(755件)、B案=+情報サービス業(3,140件)を作る。→ [B2Bのセグメンテーション:公開時にリンク]
  • T:2案の事業所数を全国と比べる。A案は東京だけで全国の59.1%、B案は49.1%。重複は489件、重複を除いたリストの実数は3,406件。獲れる件数(SOM)を営業キャパから逆算すると、A案だけでは足りず、B案を足す判断になる。→ [TAM・SAM・SOMの計算方法と実務(B2Bのターゲティング):公開時にリンク]
  • P:顧客企業の費用構造(販管費率・原価率・営業利益率)からKBFの仮説を立て、受注・失注の理由で裏を取り、ポジショニングマップで位置取りを決める。両案に入る大口(上場売上の大半)はアカウント別に別建て。→ [B2Bのポジショニング:公開時にリンク]

STP分析を見直すタイミング

STPは一度決めたら終わりではなく、市場規模が動いたら見直します。きっかけは3つ。

  • 公的統計の更新:B2Bは経済センサス(基礎調査と活動調査が交互)、B2Cは国勢調査(5年ごと)と家計調査(毎月)。区切った市場の規模と伸びが変わります
  • 競合の変化:新規参入や撤退。上場企業なら有価証券報告書(年1回)で財務が変わります
  • 自社データの蓄積:受注・購買データが四半期分たまったら、区切り方(S)の仮説が合っていたかを確かめます

見直しはSから始めます。Tだけ直しても、市場規模が同じなら結論は変わりません。

よくある質問

Q. STP分析はB2BとB2Cでどう違いますか。
枠組みは同じで、区切る単位と物差しが違います。B2Cは人・世帯を年齢・性別・地域・ライフスタイル・購買行動で、B2Bは企業・事業所を業種・規模・地域・購買の仕組みで区切ります。データも、B2Cは国勢調査や消費者調査、B2Bは経済センサスや有価証券報告書と分かれます。

Q. STP分析と4P(マーケティングミックス)はどう違いますか。
STPは「誰に、どう見られるか」を決める工程で、4P(製品・価格・流通・販促)はその後の「何を、どう届けるか」です。STPが先、4Pが後です。

Q. STP分析の順番は必ずS → T → Pですか。
はい。区切り方(S)を変えると市場規模(T)が変わり、それが変わると位置取り(P)の前提が変わるからです。製品から位置取りを先に決めて市場を後から探すと、当たり外れの理由が説明できなくなります。

Q. STP分析に使えるデータは何ですか。
市場規模は公的統計で数えます。B2Bは経済センサス(e-Stat)と有価証券報告書(EDINET)、名寄せは法人番号公表サイト。B2Cは国勢調査と家計調査(e-Stat)。いずれも政府公式のオープンデータで、無料で使えます。心理・行動・ニーズの軸は、自社の顧客データや調査で重ねます。

Q. 小さな会社にもSTP分析は必要ですか。
必要です。人手が少ないほど、獲れる件数は営業や販売のキャパで決まります。市場が小さすぎれば、キャパを埋めるのに非現実的なシェアが要ることが、STPをやると数字で分かります。

数字について

このページと各記事の数字は、政府公式のオープンデータを条件固定で集計した一次情報です(B2Bの数字の生成日は2026年9月5日、推計モデルなし)。出典・層ごとの限界・引用時の条件は、各記事末尾の「数字について」に記載しています。

出典:総務省「令和6年経済センサス‐基礎調査」(e-Stat)を加工して作成/総務省・経済産業省「令和3年経済センサス‐活動調査」(e-Stat)を加工して作成/金融庁「EDINET」の有価証券報告書および「EDINETコードリスト」を加工して作成

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