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KPI未達の対策|期の途中で、どの数字に手を打つかを決める判断の順番

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目次

期の途中の振り返りで、KPIが目標に届かないとわかると、すぐに打ち手を足したくなります。けれども、残りの期間で効く打ち手は限られています。必要なのは、手を打つ数字を決める順番です。

この記事では、4つの問いに沿って、本当の不足かの確かめ方、取り返せる差かの出し方、残りの期間に間に合う数字の選び方を紹介します。

📌この記事でわかること
  • KPIが未達のときに、順に答える4つの問い
  • 本当の不足かを確かめる方法と、取り返せる差かの出し方
  • 残りの期間に効く数字の選び方と、取り返せない分の相談のしかた

KPIが未達のときの4つの問い

KPIが届かないとわかったら、打ち手を考える前に、次の4つの問いに順に答えます。上から答えていくと、手を打つ数字が1つに決まります。

問い見るもの答えで決まること
1. 本当に足りないのかその月までの実績の累計と、月別目標の累計足りていれば、今の打ち手を続ける
2. 残りの期間で取り返せる差か今期中に要る件数と、残りの月の計画打ち手で取り返すか、早めに相談するか
3. どの数字に手を打つかKPIに近い数字のうち、届いていないもの。打ち手が残りの期間に効くか手を打つ数字を1つ
4. 取り返せない分をどうするか3の打ち手でも埋まらない件数誰に、何を相談するか

この順番にするのは、打ち手には効くまでの時間があるからです。期の後半になるほど、間に合う打ち手は減っていきます。足りない理由を探す前に、足りない件数と残りの時間を押さえておくと、間に合わない打ち手に手間をかけずに済みます。私自身も、期の途中で未達がわかったときに最初に手を打ったのは、営業への受け渡しと連絡でした。

本当の不足かは、累計を月別目標の累計と比べて確かめる

最初に確かめるのは、その月までの実績の累計が、月別目標の累計に届いているかです。年間の目標を月数で割った線と比べると、計画どおりでも未達に見えることがあります。

たとえば、4月始まりの会社が、マーケ経由の商談をKPIにして、年間42件を目標にしているとします。10月の展示会のあと、11・12月に商談が集中する計画です。この場合、下期の目標は27件で、そのうち18件が11・12月に集まります。9月末の判定は、どちらの線で見るかで変わります。

9月末の線計算件数
年間の目標を月数で割った線42件 ÷ 12か月 × 6か月21件
月別目標の累計4〜9月の月別目標の合計15件

9月末の実績が15件なら、計画どおりです。それでも、割った線で見ると7割ほどしか届いていないように見えます。この状態で打ち手を足すと、展示会のあとに商談が増えたとき、何が効いたのかがわからなくなります。

月別目標を均等に割っている会社は、この見分けがつきません。期初に月別目標を作るときに、受注や商談が多い月に重みを付けて配分しておきます。

累計を比べる前に、数え方がそろっているかも確かめます。マーケは「営業に渡した日」で、営業は「面談した日」で商談を数えていると、同じ月の件数が合いません。どちらの数え方で判定するかを先に決めてから、累計を比べます。

反対に、届いていない月が続いているのに、「期末に駆け込みがあるはず」と様子を見るのは避けます。期末の駆け込み需要で届くことはありますが、毎回起きるとは限りません。累計でも届いていないなら、次の問いに進みます。

📌 売上目標から逆算するKPIの月別計画では、受注の多い月に「配分の重み」を付けて、KPIの月別目標を作れます。重みがすべて1のままだと、年間を均等に割った目標になります。展示会のように商談が集まる月があるなら、その月の重みを大きくしておきます。

取り返せる差かは、今期中に要る件数と残りの月の計画を比べて出す

累計で届いていないとわかったら、年間の目標までに今期中にあと何件要るかを出し、残りの月の計画と比べます。達成率だけを見ていると、取り返す難しさを見誤ります。

たとえば、先ほどの会社の12月末の累計が、目標35件に対して実績33件だったとします。達成率は94%で、あと少しに見えます。ところが、年間の目標42件までには、1〜3月であと9件要ります。1〜3月の計画は7件なので、残りの3か月で計画の約1.3倍の商談を作らなければなりません。

見るもの計算件数
今期中に要る件数42件 − 33件9件
残りの月(1〜3月)の計画42件 − 35件7件
計画を上回る分9件 − 7件2件

判断の分かれ目は、計画を上回る分(この例では2件)を、残りの期間に効く打ち手で埋められるかです。

  • まだ連絡できていないリードや、商談になっていないMQLが、計画を上回る分より多く手元にある:次の問いに進み、打ち手で取り返す
  • 手元のリードを足しても届かない:取り返せない分を早めに相談する(次の章の最後で扱います)

期の前半なら、残りの月が多い分、計画を上回る分は1か月あたりで見ると小さくなります。期の後半は、同じ件数でも1か月あたりの重さが増します。未達に気づいたのが早いほど、打てる手は多くなります。

手を打つのは、KPIに近く、残りの期間に効く数字から選ぶ

手を打つ数字は、KPIに近いものから選びます。そのうえで、その打ち手が残りの期間のうちにKPIに効くかを確かめます。

届いていない数字を探すときは、KPIからツリーを下へたどります。届いていない数字が複数あるときは、KPIに近いほうを選びます。たどり方は、【C-06:マーケティングの月次報告の書き方|KPIからボトルネックを見つけ、翌月の打ち手を1枚で決める5ステップ】で紹介している月次報告の流れと同じです。

期の途中では、これに「効くまでの時間」を重ねて考えます。KPIを商談にしている場合、打ち手ごとの効くまでの時間は、おおよそ次のとおりです。

打ち手商談に効くまで期の後半に打って、今期に間に合うか
営業への受け渡しと連絡を直す早い。渡したMQLが、その月から商談になる間に合う
手元のMQLや、過去に商談にならなかったリードに声をかける早い。すでにあるリードを使う間に合う
リードを増やす(広告・ウェビナーなど)MQLになるのはその月でも、商談になるのは翌月から翌々月期末の2か月ほど前までに集めた分だけ
率を上げる(MQLの条件や提案の中身を見直す)仕組みを変えるので、効果が見えるまで時間がかかる来期に効く打ち手として決める

12月末の例なら、1月に集めたリードまでは2〜3月の商談に間に合います。3月に集めたリードは、来期の商談になります。そのため、期の後半は、営業への受け渡しと連絡、手元のリードへの声かけのように、KPIのすぐ手前の数字から手を打ちます。リードを増やす手や率を上げる手は、今期の未達を埋める手とは分けて、来期の計画に入れておきます。

選んだ数字に打つ手は、1つに絞ります。兼務の責任者は、もともと手が回らないことが多いものです。打ち手を一度に足すほど、どれも中途半端になりがちで、翌月にどれが効いたのかもわかりません。メインの打ち手を1つ決め、効かなかったときに切り替える控えの打ち手を用意しておきます。

📌 【M-B-02:KPIツリーのテンプレート(記入例つき)】には、ツリーの数字ごとに「届かないときの打ち手」を書く対策表が入っています。期初に書いておくと、未達がわかったその月に打ち手を選べます。

取り返せない分は、早めに相談して他部署の協力を取りにいく

選んだ打ち手でも埋まらない件数があるとわかったら、その時点で経営陣に相談します。期末まで待つと、相談しても打てる手が残っていません。

相談では、次の4つを1枚で示します。

  • 累計と月別目標の累計で見た今の状況
  • 自分たちで取り返す打ち手と、それで埋まる件数
  • それでも埋まらない件数と、協力してほしいこと(営業による過去のリードへの声かけなど)
  • 来期に効く打ち手(リードを増やす・率を上げる)と、今期の未達とは分けて考えること

相談で取りにいくものは、予算に限りません。手元のリードに声をかける人手や、営業の連絡の速さのように、他部署が動けば今期に間に合う打ち手もあります。

未達を報告すると、即効性のある打ち手を求められることがあります。リードを増やす施策のように、効くまでに時間がかかる打ち手もあります。私も基本から説明しましたが、一度の説明でわかってもらえることは少なく、中長期で理解してもらう必要がありました。打ち手ごとの効くまでの時間は、未達がわかってから説明するより、期初の計画の段階から経営陣と共有しておくほうが伝わります。

経営陣に説明するときの一文

未達を相談するときは、累計で見た状況と、取り返す打ち手、埋まらない分を分けて伝えます(数字は架空の例です)。

  • 「12月末の商談の累計は、目標35件に対して33件です。年間の42件までに1〜3月であと9件要り、計画の7件より2件多く必要です。1月は、手元のMQLへの連絡と、過去に商談にならなかったリードへの声かけで取り返します。」
  • 「それでも埋まらない場合に備えて、過去のリードへの声かけに営業の協力をお願いしたいです。リードを増やす広告は、商談になるまで1〜2か月かかるため、来期の計画に入れます。」

まとめ

KPIが未達のときは、本当の不足か、取り返せる差か、どの数字に手を打つか、取り返せない分をどうするかの順に答えます。判定は月別目標の累計で行い、今期中に要る件数を残りの月の計画と比べます。手を打つのはKPIに近く残りの期間に効く数字からで、埋まらない分は早めに相談します。

よくある質問

Q1. 毎月のようにKPIが届かないときは、どうすればよいですか?

A1. 打ち手より先に、目標とKPIの設計を見直します。月別目標の累計で見ても毎月届かないなら、目標に使った率や、リードを集める計画そのものがずれている可能性があります。KPIの選び方から見直す方法は、【B-07:KPIの見直し】で解説しています。

Q2. 期の前半に大きく届いていないときも、同じ順番で考えますか?

A2. 同じ順番で考えます。期の前半は残りの月が多いので、3つめの問いで、リードを増やす打ち手も今期に間に合う候補に入ります。まず月別目標の累計で、本当の不足かを確かめてください。

Q3. 打ち手は、同時にいくつまで試してよいですか?

A3. メインの打ち手は1つにします。同時に始めると、翌月に数字が動いても、どれが効いたのかがわかりません。効かなかったときに切り替える控えの打ち手を、あわせて用意しておきます。

Q4. KPIは届いているのに、受注が届かないときはどうすればよいですか?

A4. KPIの選び方を見直す場面です。KPIが受注につながる数字になっているか、KGIからKPIまでのつながりを確かめ直します。見直し方は、【B-07:KPIの見直し】で解説しています。

この記事の執筆者

coconeco
coconecoLead Manager

デジタルマーケティング立ち上げ・運用設計責任者

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