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KPIの絞り込み方|候補が10個を超えたとき、1つに決める4つの条件と外した数字の置き場所

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KPIの候補を出し合ったら10個を超え、どれを追えばよいか決まらない。リードも商談も受注率も、どれも大事に見えるものです。必要なのは、候補を条件で順に外して1つを選び、外した数字にも置き場所を決めることです。

この記事では、KPIを1つに絞り込む4つの条件と、残った候補から選ぶ基準、外した数字の扱い方を紹介します。

📌この記事でわかること
  • KPIの候補を絞り込む4つの条件
  • 残った候補から、KPIにする数字を選ぶ基準
  • 外した数字の置き場所と、KPIを替える時期

KPIは、4つの条件で候補を外し、残った中でいちばん足りていない段の数字を1つ選ぶ

KPIの候補は、条件に合わないものから外していくと早く絞れます。10個を超える候補も、次の4つの条件にかけると、受注の手前に並ぶ数個の数字まで減っていきます。

条件確かめる問い外れやすい候補
KGIまで計算でつながるこの数字が増えると受注が増えることを、計算式で書けるか事例の公開本数、メルマガの配信回数、SNSの投稿数
マーケが自分で動かせるマーケの打ち手だけで、この数字を増やせるか受注件数、受注金額、受注率
毎月、決まった表から数えられるどの表のどの列から写すかを、1行で書けるか見分ける列がない場合の商談の数、定義が決まっていないリードの質
判断できるだけの件数がたまるほとんどの月で数件ずつ出て、累計で目標と比べられるか大型案件の数、特定の業種だけの商談

残るのは、リード、MQL、営業に渡した件数、商談のような数字です。この中から、いま目標に対していちばん足りていない段の数字をKPIにします。成果は、いちばん弱い段に引っ張られるからです。候補を全部残すと、毎月の集計が重くなり、どこに手を打つかも決まりません。私も以前、候補を絞りきれずにKPIを複数持たせていたことがあり、毎月の集計だけで手いっぱいになっていました。

📌参考:KPIは「いちばん弱いプロセス」に置く

リクルートでKPIマネジメントの講師を務めた中尾隆一郎氏は、著書『最高の結果を出すKPIマネジメント』などで、事業の成果はいちばん弱いプロセスに左右されるとし、そのプロセスを1つ選んでKPIを置く考え方を示しています。

KPIの候補は、4つの条件の順に外していく

4つの条件は、表の上から順にかけます。前の条件で外れた数字は、次の条件で確かめる必要はありません。

KGIまで計算でつながらない行動目標を外す

最初に外すのは、達成しても受注が増えるとは言えない数字です。候補をメンバーに出してもらうと、「事例を〇本公開する」「メルマガを期日どおりに配信する」のような、自分でできそうな行動目標が混ざりがちです。目標の設定を本人に任せている職場では、とくに多くなります。

たとえばリードなら、「リード×商談化率×受注率=受注」と書けます。事例の公開本数は、受注につながる式が書けません。

外した行動目標は、メンバーの作業として残します。置き場所は、あとの章で決めます。

営業が動かす受注の数字を外す

受注件数・受注金額・受注率は、マーケのKPIの候補から外します。商談から先は、営業の提案や価格の交渉で決まるからです。

マーケと営業のどちらが動かす数字か迷うときは、「来月、マーケが何をすればこの数字が増えるか」を1つ挙げられるかで判断します。挙げられればマーケの数字、挙げられなければ営業の数字です。たとえば「営業に渡したリードのうち、2営業日以内に連絡した割合」は、営業が動かす数字です。営業の責任者と一緒に見る数字として扱います。

毎月、決まった表から数えられない数字を外す

写す場所が決まらない数字は、KPIにしても毎月の集計で止まります。

ここで外れることが多いのが、商談の数です。受注に近く、KPIに選びたくなる数字ですが、営業の商談管理表にマーケ経由かどうかを見分ける列がないと数えられません。その場合、今期は「営業に渡した件数」のように、マーケの手元で数えられる数字を候補に残します。あわせて商談管理表に「きっかけ」の列を足してもらえば、次の期には商談をKPIにできます。

「リードの質」のように、定義が決まっていない数字も同じです。営業と条件を決めて数えられるようになるまでは、候補から外します。

判断できるだけの件数がたまらない数字を外す

件数が少なすぎる数字は、1件の増減で達成率が大きく動きます。これでは、届いているかどうかを判断できません。

たとえば、マーケ経由の受注が年12件なら、月に1件ほどです。0件の月もあるので、毎月の会議で手を打つ材料になりません。商談が年42件なら平均で月に3〜4件出るので、その月までの累計を目標の累計と比べれば判断できます。受注をKPIにしにくい理由は、件数の面からも説明がつきます。

残った候補からは、いちばん足りていない段の数字をKPIにする

4つの条件を通った数字は、どれも受注の手前に並んでいます。どれをKPIにするかは、いまどの段が目標に届いていないかで決めます。

状況ごとに、KPIにする数字は次のようになります。

状況KPIにする数字
リードは目標どおり集まっているが、商談が足りない商談(数えられなければ、営業に渡した件数)
リードそのものが目標に届いていないリード(MQLを数えているならMQL)
商談は目標どおり出ているが、受注が増えないマーケのKPIは商談のまま。受注率は営業と一緒に見る
前期の数字がなく、どの段が足りないか判断できない4つの条件を通った中で、受注にいちばん近い数字

迷いやすいのは、リードと商談の両方が条件を通ったときです。分かれ目は、前期の商談化率が目標どおりだったかどうかです。目標どおりなら、足りないのはリードの量なのでリードを選びます。目標を下回っていたなら、商談を選びます。リードを増やしても商談にならなければ、受注は増えないからです。

他社がどの数字をKPIにしているかは、KPI設定の例|BtoB企業8社の公開事例で見る、問い合わせ・商談・リードのどれをKPIにするか で紹介しています。体制や売り方が近い会社の選び方は、迷ったときの手がかりになります。

KPIにする数字が決まったら、目標値は受注目標から逆算して置きます。計算式と例は、KPI目標値の決め方|売上目標から商談数・リード数を逆算し、根拠を説明する方法 で解説しています。

📌KGIからCSF・KPIを導く6ステップは、KGIからいちばん弱いプロセスを選び、KPIを1つに決めるまでを書き込めるワークシートです。実在企業のKGIをもとにした記入例で、絞り込む流れを確かめられます。

外した候補は、捨てずに置き場所と見る間隔を決める

外した数字の多くは、KPIにしないだけで、見続ける必要があります。数字ごとに置き場所と見る間隔を決めて残します。

外した数字置き場所見る間隔
KPIを計算で動かす数字(リード、商談化率、チャネルごとのリード)KPIツリーの下の段(PI)毎月。件数の少ないものは四半期
営業が動かす受注の数字(受注件数、受注金額、受注率)KGIとして経営陣への報告月ごとの累計と四半期
行動目標(事例の公開、メルマガの配信)メンバーの作業表毎週
どこにも置けない数字今期は見ない―

KPIとその下の段の数字を1枚のツリーにつなぐ方法は、KPIツリーの作り方と例|作って終わりにしない、運用に生かせるツリーの設計のしかた で解説しています。

置き場所を決めずに残した数字は、誰が見るのかもあいまいになりがちです。

😄 私が見てきた企業では、スキルの関係で担当が決まらない数字が、すべて責任者のもとに集まっていました。責任者は激務になり、管理が雑になって、やがて管理しきれなくなります。上層部に相談して数字を減らしてもらえたり、他部署に協力を頼めたりすることもありましたが、一人で抱えたままのこともありました。担い手と置き場所が決まらない数字は、残すほど責任者の負担になります。

KPIは、足りない段が動いたら四半期の区切りで替える

1つに決めたKPIも、ずっと同じとは限りません。替えるのは、いちばん足りていない段が別の段に移ったときです。

KPIを替える場面は、主に次の2つです。

  • リードをKPIにして量が足りるようになり、今度は商談化率が目標を下回るようになった
  • 商談管理表に「きっかけ」の列ができ、営業に渡した件数の代わりに商談を数えられるようになった

替えるのは、四半期の区切りにします。月ごとに替えると、前の月との比べ方がそろわなくなります。替えるときは、それまでの実績と新しい目標を並べて、経営陣と営業に伝えます。

KPIが目標に届かないだけなら、KPIは替えません。まず、ツリーの中で手を打つ数字を探します。

経営陣と営業に説明するときの一文

1つに絞ったKPIを伝えるときは、外した数字をどこで見るかも一緒に伝えます。

  • 経営陣に:「マーケが追うKPIは、マーケ経由の商談の数1つにします。リードの数は商談を増やすための数字として毎月見ていて、受注の件数と金額は四半期ごとに報告します。」
  • 営業に:「マーケは商談の数をKPIにしました。商談管理表の『きっかけ』の列がこの数字の出どころになるので、記入をお願いします。」

まとめ

KPIの候補は、KGIにつながるか、マーケが動かせるか、毎月数えられるか、判断できる件数がたまるかの4つで外していきます。残った候補からは、いま目標に届いていない段の数字を1つ選びます。外した数字は置き場所を決めて残し、足りない段が移ったら四半期の区切りでKPIを替えます。

よくある質問

Q1. KPIの数は、3〜5個ではいけませんか?

A1. 毎月見る数字が3〜5個あるのは構いませんが、KPIは1つにします。KPIが複数あると、届かなかったときにどこに手を打つかが決まらないためです。ほかの数字は、KPIツリーの下の段に置いて見ます。

Q2. メンバーごとにKPIを持たせてもよいですか?

A2. チームで追うKPIは1つにし、メンバーにはツリーの下の段の数字や作業表の作業を担当してもらいます。ツリーの数字をそのまま個人目標にすると、自分の担当だけを見るようになりがちです。個人目標とは分けて扱います。

Q3. リードの数をKPIにしてもよいですか?

A3. リードそのものが目標に届いていないなら、リードをKPIにします。リードは足りているのに商談が増えないなら、商談か営業に渡した件数を選びます。リードをKPIにした場合も、商談化率はツリーの下の段で毎月見ておきます。

Q4. 期の途中でKPIを替えてもよいですか?

A4. いちばん足りていない段が別の段に移ったら、四半期の区切りで替えます。それまでの実績と新しい目標を並べて、経営陣と営業に伝えてください。目標に届かないだけなら、KPIは替えずに、ツリーの中で手を打つ数字を探します。

この記事の執筆者

coconeco
coconecoLead Manager

デジタルマーケティング立ち上げ・運用設計責任者

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