KPI管理の方法|管理表を作った後、月1回の判定で回し続ける運用の手順
coconecoLead Manager公開日: / 更新日:
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KPIと管理表を作っても、数字を集めるのが面倒になり、数か月で更新が止まることがあります。管理を続けるために先に決めておきたいのは、実績を入れる場所、届いたかどうかを判定する線、数字ごとに見る間隔の3つです。
この記事では、運用が続く管理表の形と、月1回の判定で回し続ける5つの手順を紹介します。
- 運用が続くKPI管理表の形
- 管理表が止まる3つの原因と、先に決めておくこと
- 月1回の判定で回す5つの手順と、管理の道具の選び方
KPI管理は入力の場所・判定の線・見る間隔を決めて回す
KPI管理が続くかどうかは、管理表を作る前に、次の3つを決めておけるかで決まります。
- 入力の場所:実績を入れるのは1か所だけにする
- 判定の線:届いた・届かないを、どの線で判定するかを決める
- 見る間隔:数字ごとに、週・月・四半期のどれで見るかを決める
3つを決めると、管理表は次の形になります。

| 列 | 書くこと |
|---|---|
| 数字 | KGI・KPI・PIを、ツリーの上から順に並べる |
| 目標の累計 | その月までの月別目標の合計 |
| 実績の累計 | その月までの実績の合計。入力の場所から自動で集計する |
| 判定 | 達成・やや届かない・届かない。判定の線から自動で出す |
| 見る間隔 | 週・月・四半期 |
| 出どころ | 数字を取る元のデータ(例:営業の商談管理表の「きっかけ」の欄) |
判定は累計で行います。BtoBの数字は月ごとの件数がぶれやすく、単月で見ると、計画どおりでも届かない月が出るためです。
管理表を作り込んでも、判定の線がなければ、数字を見たあとに何を決めるかが定まりません。私が関わった会社でも、線を決めないまま管理表を回し、届いたかどうかを担当者の感覚で判断していた時期がありました。それでは数字を見ても、次の改善にはつながりません。
管理表が止まる原因は入力・表示・引き継ぎの3つ
KPI管理が止まるのは、どの道具を使っていても起きます。道具を替えると、止まる場所が変わるだけです。
止まる原因と、先に決めておくことは次のとおりです。
| 原因 | 起きがちなこと | 先に決めておくこと |
|---|---|---|
| 入力 | いくつもの画面から数字を写すのが面倒になる。担当を決めても、締めの入力を忘れる月が出る | 入力する場所と日を1つに決め、手で写す数字を減らす |
| 表示 | レポートの表示に時間がかかり、開くのが億劫になる。元データの表を誰かが編集し、グラフが出なくなる | 見る画面と元データを分け、元データを触る人を決める |
| 引き継ぎ | 作った人しか式や設定を直せず、異動や退職をきっかけに止まる | 2人以上が直せる状態にし、使い方を1枚に残す |
とくに見落とされやすいのが引き継ぎです。作った本人が回しているうちは問題が見えず、担当が変わった月に止まります。
KPI管理を回す5つの手順

5つの手順は、期初にStep1〜3を決め、毎月Step4を回し、四半期ごとにStep5で管理表を見直す流れです。
Step1:実績の入力は1か所にまとめ、手で写す数字を減らす
施策ごとの実績(リード・MQL・商談・受注)を入れる表を1つ決め、KPI管理表はそこから自動で集計します。数字ごとに担当を決めて、それぞれの画面から管理表へ写してもらう運用は、忘れる月が出がちです。1人が忘れると、その月の判定ができなくなります。
入力の手間は、次の順で減らします。
目安は、毎月の入力が15分ほどで終わる量です。それを超える場合は、手で写す数字を見直すか、自動で集計する仕組みを検討します。
Step2:届いた・届かないの線を期初に決める
判定の線は、期初に2本決めておきます。
- 累計の達成率が100%以上:達成
- 90%以上100%未満:やや届かない。翌月も同じ打ち手を続けて様子を見る
- 90%未満:届かない。翌月の打ち手を1つ決める
線は、期の途中で動かしません。届かない月に線を下げると、判定がその場の都合で変わり、管理表を見る意味がなくなります。
ただし、件数が少ない数字は、1件の差で達成率が大きく動きます。そうした数字は、達成率に「目標の累計との差が2件以上なら届かない」のような件数の線を添えると、毎月の判定が落ち着きます。
Step3:見る間隔は、数字の件数で決める
週ごとに見たくても、件数が少ない数字は週では動きません。たとえば、商談が年42件なら月に3〜4件で、週では1件動くかどうかです。その数字を毎週見ても、判定の材料になりません。
見る間隔は、次のように分けます。
| 間隔 | 見るもの |
|---|---|
| 週 | 作業(MQLへの連絡、展示会の名刺の入力など)と、件数の多い数字 |
| 月 | KPIと、KPIに近いPIの判定 |
| 四半期 | 件数の少ない数字(チャネル別の商談など)と、管理表そのもの |
Step4:月1回、判定して打ち手を1つ記録する
締めの入力が終わったら、KPIから順に判定を見ます。届いていない数字があれば、ツリーを下へたどり、KPIに近い数字から打ち手を1つ決めて記録します。翌月の判定では、その打ち手の結果を最初に確かめます。
記録を残すのは、同じ打ち手をくり返さないためです。何をして、数字がどう動いたかが残っていれば、担当が変わっても判断を引き継げます。
参考記事:KPI未達の対策|期の途中で、どの数字に手を打つかを決める判断の順番
Step5:四半期に1回、管理表そのものを見直す
四半期の区切りでは、管理表そのものを見直します。確かめるのは次の3つです。
- 3か月間、判定にも打ち手にも使わなかった行はないか(あれば消す)
- 数字の出どころが変わっていないか(営業の管理表の項目が変わった、など)
- 式や設定を直せる人が、2人以上いるか
行が増えるほど、入力も確認も重くなります。四半期ごとに減らす機会をつくると、管理表は軽いまま保てます。KPIそのものが合っているかを見直す方法は、「問い合わせ数」KPIの失敗例|KGIとつなぐKPI再設計 で解説しています。
管理の道具は、まずスプレッドシートで始める
MA・CRMが入っていても、KPI管理はスプレッドシートで始めるほうが続きやすいことがあります。
MA・CRMのレポートやダッシュボードは、データが多いと表示に時間がかかることがあります。ツールや契約のプランによっては、使えるグラフの種類や、1つのグラフに置ける指標の数にも制限があります。スプレッドシートなら、誰でも開けて、直せる人も増やしやすくなります。
道具は、件数と人手で選びます。
| 状況 | 管理の道具 |
|---|---|
| 件数が少なく、入力する人が1〜2名 | スプレッドシート。実績はMA・CRMから書き出して貼る |
| 件数が増え、手で写す時間が負担になってきた | 集計はMA・CRMのレポートで行い、判定と打ち手の記録はスプレッドシートに残す |
| 式や設定を直せる人が社内に2名以上いる | ダッシュボードの作成ツールで、見る画面を作る |
私は、マーケの環境がまだ整っていない中小企業なら、今はスプレッドシートで管理を始めるのがいちばんハードルが低いと考えています。ダッシュボードに移すのは、管理表の運用が回ってからでも遅くありません。
メンバーに説明するときの一文
管理表を使い始めるときは、入力と判定のルールを短く伝えます。
- 「実績は、毎月締めの翌営業日までに施策の表に入れてください。KPIの管理表は、そこから自動で集計します。」
- 「判定は累計で見ます。90%を下回った数字だけ、翌月の打ち手を1つ決めます。」
まとめ
KPI管理は、実績を入れる場所、判定の線、見る間隔を期初に決めてから回します。毎月は累計で判定して打ち手を1つ記録し、四半期ごとに管理表そのものを軽くします。道具はスプレッドシートから始め、件数と人手が増えたら移せば十分です。
よくある質問
Q1. マーケが1人でも、KPI管理は回せますか?
A1. 回せます。入力の場所を1つにし、毎月見る数字をKPIとそれに近いPIに絞れば、月の作業は小さく収まります。休みや異動に備えて、使い方を1枚に残しておくと安心です。
Q2. 週次の会議は必要ですか?
A2. 件数によります。件数が少ない会社では、週は作業の進み具合を確かめる短い場で足ります。KPIの判定は、月1回の場で行います。
Q3. MA・CRMのダッシュボードがあれば、管理表はいりませんか?
A3. 数字を見るだけなら、ダッシュボードで足ります。ただし、判定の線や、毎月決めた打ち手の記録は残しにくいことが多いため、判定と記録の場所は別に用意します。
Q4. 管理表を作った人が異動したら、どうすればよいですか?
A4. 異動の前に、式や設定を直せる人を2人以上にしておきます。四半期の見直しのたびに、直せる人がいるかを確かめ、使い方を1枚に残しておくと引き継げます。
