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広告費の相場は売上の何%?代行手数料やコンサル費まで含めた、中小企業のマーケ予算の目安

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目次

来期のマーケ予算の総額を決める段階になると、自社の規模でいくらが妥当なのか迷うことがあります。社長や経理に説明するには、ネットで見つけた広告費の相場ではなく、同業と比べても説明がつく根拠が必要です。

この記事では、広告費の相場を公的統計の売上比率で確かめ、代行手数料やコンサル費まで含めたマーケ予算の目安を出す方法を解説します。

👉この記事でわかること
  • 中小企業の業種別の広告宣伝費 売上比率(最新の公的統計)
  • 広告の出稿費だけでなく、代行手数料・運用支援・コンサル・制作・ツールまで含めた費目ごとの相場
  • 自社のマーケ費用を同業と正しく比べ、予算の総額の妥当性を説明する手順

広告費の相場は売上比率で確かめ、外注費まで含めた総額で見る

広告費の相場は、「売上の何%か」で見るのが基本です。式は次のとおりです。

広告宣伝費の売上比率(%)= 広告宣伝費 ÷ 売上高 × 100

中小企業庁の最新の統計では、中小企業(法人)全体の比率は0.51%です。BtoBが多い業種はさらに低く、製造業は0.30%、卸売業は0.26%にとどまります。ネットでよく見る「売上の3〜5%」は、BtoCや大企業を含む数字であることが多く、BtoBの中小企業にはそのまま当てはまりません。

ただし、この統計の広告宣伝費は、決算書の勘定科目の「広告宣伝費」だけです。中小企業のマーケでは、展示会の出展費や広告代理店への運用代行手数料、マーケティング支援会社への月額費用、MA・CRMのツール費、記事やホワイトペーパーの制作費も使っています。これらは販売促進費・支払手数料・外注費などの別の科目に入ることが多く、実際にマーケに使っているお金は、決算書の広告宣伝費より大きくなります。

そのため、相場は2つの見方で確かめます。

  • 同業と比べるときは、統計と同じ定義(決算書の広告宣伝費だけ)で比べる
  • 予算の総額を決めるときは、外注費やツール費まで含めたマーケ費用の合計で見る

比率は予算額を決める数字ではありません。予算額は受注目標から逆算して積み上げ、比率は「規模に対して大きく外れていないか」「なぜ同業と違うのか」を確かめるために使います。

業種別の広告宣伝費 売上比率(中小企業)

次の表は、中小企業庁「中小企業実態基本調査」の最新の数値から、業種別に広告宣伝費の売上比率を計算したものです。従業員50〜200名規模の会社に近いのは、「従業者51人以上」の列になります。粗利(売上総利益)に対する比率もあわせて並べました。

業種売上比率(法人企業全体)売上比率(従業者51人以上)粗利に対する比率(従業者51人以上)
全産業0.51%0.59%2.6%
製造業0.30%0.35%1.9%
卸売業0.26%0.42%2.6%
建設業0.21%0.26%1.4%
情報通信業1.87%2.06%5.5%
運輸業・郵便業0.13%0.14%0.7%
学術研究・専門・技術サービス業0.56%0.38%0.9%
サービス業(他に分類されないもの)0.49%0.54%1.4%
不動産業・物品賃貸業0.96%0.80%2.8%
小売業(参考:BtoC中心)1.24%1.47%5.0%

この数値は、業種全体の広告宣伝費の合計を、売上高の合計で割った比率です。広告をほとんど出していない会社も含むため、「この業種の適正な水準」ではなく「業種全体でならした水準」として読んでください。BtoBが中心の業種は、紹介や既存取引で受注する割合が高いぶん、比率が低く出やすい傾向があります。

「粗利に対する比率」は、統計に出ている業種ごとの粗利で割った値です。業種によって粗利率が違うため、売上比率とは同じ割合で並びません。自社と比べるときは、自社の粗利で計算し直してください。

📌参考:統計の出所と、この「広告宣伝費」に含まれるもの

中小企業庁「中小企業実態基本調査 令和7年確報(令和6年度決算実績)」(2026年6月公表)の「売上高及び営業費用 産業別・従業者規模別表」から、法人企業の数値を使って計算しました。ここでの広告宣伝費は、販売費及び一般管理費の内訳の1つで、決算書の勘定科目の「広告宣伝費」にあたります。別の科目で処理した販売促進費や展示会費、外注費、マーケ担当者の人件費は含まれません。

📌参考:販売促進費まで含めると、平均は1.3%

東京商工リサーチの調査(2023年度決算、大企業を含む宣伝費を計上した企業が対象)では、広告宣伝費と販売促進費を合わせた「宣伝費」の売上高比率は平均1.3%でした。宣伝費を計上していない企業を除き、販売促進費まで含めると、比率は中小企業庁の数値の2倍以上になります。同じ「広告費の売上比率」でも、定義によって数字が大きく変わる例です。

同業と比べるときは、どの定義の数字なのかを必ず確かめてから使います。

費目ごとの相場:広告の出稿費と、代行手数料・コンサル費などの外注費

広告の出稿費は、マーケ予算の一部にすぎません。BtoB企業の広告担当者への調査では、マーケ予算のうち広告予算が30%未満という回答が約6割でした。残りは、展示会などの販促、外部の支援会社への費用、ツール、コンテンツの制作に使われています。

📌参考:広告予算がマーケ予算の30%未満の企業は59.2%

IDEATECH「2024年版 BtoB広告施策の定点調査」(BtoB企業の広告担当者130名、2024年8月30日実施)では、マーケティング予算に占める広告予算の割合は「10%未満」20.8%、「10〜20%未満」19.2%、「20〜30%未満」19.2%で、合わせて59.2%が30%未満でした。

次の表は、中小企業のマーケでよく使う費目について、料金の決まり方と、見積もりで提示されることが多い金額の幅をまとめたものです。公的な統計ではなく、支援会社や媒体が公開している料金をもとにした目安なので、見積もりを取るときの物差しとして使ってください。

費目主な施策料金の決まり方相場の目安決算書での科目の例
広告の出稿費リスティング広告、SNS広告、ディスプレイ広告クリック課金・インプレッション課金など。金額は自社で決めるBtoBの中小企業では月数十万円から始めることが多い広告宣伝費
広告の運用代行手数料広告代理店による運用・レポート出稿費に対する手数料率。最低手数料を設けることが多い出稿費の15〜25%(20%前後が多い)。最低手数料は月5万円前後から広告宣伝費、支払手数料
展示会の出展費業界の展示会小間料+装飾・配布物・運営の費用小間料だけで1小間数十万円。装飾などを含めると1回100万円を超えることが多い販売促進費
マーケティングの運用支援・コンサルティング戦略の立案、施策の伴走支援月額の固定費、またはプロジェクト単位月額20〜80万円程度。戦略の立案だけならプロジェクト単位で50〜200万円程度支払手数料、業務委託費
MAの運用支援シナリオ設計、メール配信、レポート初期費用+月額初期費用30〜100万円、月額10〜40万円程度支払手数料、業務委託費
コンテンツの制作費SEO記事、ホワイトペーパー、導入事例1本あたりの単価SEO記事1本3〜15万円、ホワイトペーパー1本15〜40万円程度外注費、広告宣伝費
Webサイト・LPの制作費LP制作、サイトの更新1件あたりの見積もりLP1枚で数十万円から。サイトのリニューアルは数百万円になることもある広告宣伝費、外注費(金額によっては資産計上)
ツール費MA、CRM、フォーム、分析ツール月額の利用料。初期費用がかかるものもあるMAの利用料は月数万〜数十万円。運用や外部の支援まで含めると、月10万円以上が多い

MAは、利用料だけでなく運用支援の月額も同じ行で見積もります。導入後に外部の支援を足す企業が多いためです。表のうち、見積もりで見落としやすいのは、運用代行の最低手数料と、MAやサイト制作の初期費用です。出稿費を月20万円に抑えても、最低手数料が月5万円なら、手数料率は実質25%になります。

📌参考:MA導入企業の83.0%が、運用・支援を含めて月額10万円以上を支出

ferret One「BtoBマーケティング調査レポート2025(MAツール編)」(MA導入企業112社、2025年5〜6月実施)では、ライセンス・運用・支援を含めた月額費用が10万円以上の企業は83.0%でした。活用を進めるために必要なことは「外部パートナーの導入」が61.6%で最多です。

計算例:部品メーカーのマーケ費用を、外注費まで含めて相場と比べる

ここでは、次の架空の会社で計算してみます(数値は説明のための例です)。

  • 業種:製造業(産業機械向けの部品メーカー)、従業員100名
  • 売上高:15億円
  • 粗利(売上総利益):6億円

今期、マーケに使った費用は次のとおりです。

費用決算書の勘定科目年額
Web広告の出稿費(リスティング広告、月13万円)広告宣伝費156万円
広告代理店の運用代行手数料(最低手数料の月5万円)広告宣伝費60万円
展示会の出展費(年1回)販売促進費270万円
ホワイトペーパーの制作費(外注3本)外注費60万円
ウェビナーの費用(年3回)販売促進費30万円
メール配信ツールの利用料(月1万円)支払手数料12万円
自社サイトの保守・サーバー(月3万円)通信費36万円
合計(マーケに使った費用)―624万円

この会社の比率を、3つの見方で出します。

見方計算比率
決算書の広告宣伝費だけ216万円 ÷ 15億円0.14%
マーケに使った費用の合計624万円 ÷ 15億円0.42%
マーケに使った費用の合計を粗利で割る624万円 ÷ 6億円1.0%

同業(製造業・従業者51人以上)の0.35%と比べるときは、決算書の広告宣伝費だけの0.14%を使います。統計の広告宣伝費と定義が同じだからです。そう比べると、この会社は同業の半分に満たない水準だとわかります。

一方で、社内でマーケ予算として管理している624万円(0.42%)を0.35%と比べ、「同業より多く使っている」と判断するのは誤りです。この会社のマーケ費用のうち、広告の出稿費は4分の1にすぎず、残りは展示会や代行手数料、制作、ウェビナー、ツール、サイトの保守に使っています。

来期の予算案を、比率と回収の見込みで確かめる

来期、新規顧客を増やす目標から逆算した結果、マーケ予算案が910万円(286万円の増額)になったとします。売上高が同じなら、マーケに使う費用の比率は0.42%から0.61%に上がります。

このとき経営陣に示すのは、「同業の何%か」ではなく、増やした286万円で何が返ってくるかです。たとえば新規顧客1社あたりの初回の受注額が平均250万円、粗利率が40%なら、1社あたりの粗利は100万円です。増額分で、マーケ施策からの新規受注を今期の8社から12社へ4社増やす計画なら、1年目の粗利の増加は400万円になります。増額分の286万円を上回るので、比率が上がっても投資として説明がつきます。

自社のマーケ費用を相場と比べる手順

Step1:経理と、マーケ費用が入っている勘定科目を揃える

まず、経理の担当者に、マーケに使っている費用がどの勘定科目に入っているかを確認します。展示会費は販売促進費、ツール費や支援会社への費用は支払手数料というように、処理のしかたは会社ごとに違うためです。私は、マーケ予算は経理や財務の人の助言を受けながら組み立てるのがいちばん確実だと考えています。最初に数字の出し方を揃えておけば、予算案を出したあとで数字を疑われることも減ります。

Step2:費目ごとに、今期の年額を洗い出す

上の「費目ごとの相場」の表の行に沿って、今期の年額を書き出します。広告の出稿費と代行手数料は分けて書き、運用支援やコンサルなどの外注費も1行ずつ出してください。費目ごとの金額を相場の目安と並べると、手数料や月額費用が相場から大きく外れていないかも同時に確かめられます。

Step3:過去3期の比率を出し、同業の統計と同じ定義で比べる

決算書の広告宣伝費だけの比率と、マーケに使った費用の合計の比率を、過去3期分出します。統計と比べるのは、決算書の広告宣伝費だけの比率です。業種と規模は、上の表から自社に近い行を選びます。差が大きいときは、その理由(新規開拓に力を入れている、紹介中心で広告をほとんど出していない など)を書き出しておくと、説明の材料になります。

Step4:予算の総額は目標から逆算し、比率は最後に確かめる

予算額は、受注目標から必要な商談数・リード数を逆算し、1件あたりの獲得費用をかけて積み上げます。積み上げた額を売上高で割り、Step3の自社の推移や同業の水準から大きく外れていないかを確かめてください。

参考記事:KPI目標値の決め方|売上目標から商談数・リード数を逆算し、根拠を説明する方法

広告費の相場を予算の根拠にするときの失敗

ネットの相場をそのまま予算額の根拠にする

「広告費は売上の〇%が目安」という数字は、出典や定義がはっきりしないものが多くあります。業種も規模も、BtoBかBtoCかも違う数字を根拠にすると、社長や経理に出典を聞かれた時点で説明が崩れます。自社に過去のデータがまったくない場合は、公的統計のように出典と定義がはっきりした数字を、仮の水準として使ってください。

出稿費だけで見積もり、外注費を見落とす

広告の出稿費だけで予算を組むと、代行手数料や最低手数料、ツールの初期費用、制作費が期中に出てきて、予算が足りなくなります。外部に頼む施策は、出稿費と外注費を分けて見積もり、両方を予算案に載せます。

与えられた予算を使い切る計画を立てる

先に予算額が決まり、それを埋めるように施策を並べてしまうケースです。数字を合わせるために作った計画は、次の期に「その施策で何が増えたのか」と聞かれたときに答えられません。予算は目標から必要な額を出し、余る分は使わずに残すほうが、次の予算申請で信用されます。余りそうだとわかった時点で、使わない理由と残した額の扱いを経営陣に伝えておきましょう。

判断の目安:マーケ費用が同業や相場と違うときの読み方

比率は、同業より高いか低いかだけでは良い・悪いを判断できません。判断の線は、「増やした費用に対して、粗利がそれ以上に増える見込みがあるか」です。外注費については、「成果を自社で説明できるか」もあわせて見ます。

状況判断次にやること
同業より高く、受注や粗利の増加につながっている根拠がある妥当増えた粗利と費用を並べて説明する
同業より高いが、どの施策が受注につながったかわからない見直しが必要施策ごとにリード・商談・受注の数を追えるようにしてから、増額を考える
同業より低く、紹介や既存取引で目標を達成できている妥当無理に増やさない
同業より低く、新規顧客を増やす目標がある不足の可能性がある目標から逆算した必要額を出し、増額を提案する
代行手数料や月額の支援費が、相場の目安から大きく外れている内訳の確認が必要最低手数料や作業範囲を見積もりで確かめ、相場と比べる
マーケ費用の半分以上が外注費で、施策の成果を自社で説明できない見直しが必要自社で持つ判断と、外部に頼む作業を分けてから、外注の範囲を決め直す

「1年目で回収できるか」は、厳しめの線です。BtoBは取引が数年続くことが多いので、長く続く商材なら、顧客1社あたりの採算で上限を考える方法もあります。まずは1年目の線で説明できるかを確かめ、足りない場合に採算の期間を延ばして考えると、根拠が崩れにくくなります。

経営陣に説明するときの一文

  • 「決算書の広告宣伝費で比べると、当社は売上の0.14%で、同業の中小製造業(0.35%)の半分に満たない水準です。展示会や制作費、ツール費を含めたマーケ費用の合計は、売上の0.42%です。」
  • 「来期の増額286万円は、新規4社分で年400万円の粗利を見込んだもので、1年目で回収できる計画です。」

よくある質問

Q1.広告費の相場は、売上の何%ですか?

A1.中小企業(法人)全体では、決算書の広告宣伝費が売上の0.51%、BtoBが多い製造業は0.30%、卸売業は0.26%です(中小企業庁「中小企業実態基本調査 令和7年確報(令和6年度決算実績)」から計算)。これは業種全体でならした数値なので、予算額を決める目安ではなく、同業と比べて差を確かめる物差しとして使います。

Q2.代行手数料やコンサル費は、広告費に含めて考えるべきですか?

A2.同業の統計と比べるときは含めず、決算書の広告宣伝費だけで比べます。予算の総額を決めるときは、代行手数料や運用支援・コンサル費、ツール費、制作費まで含めたマーケ費用の合計で見てください。2つの数字を分けて出し、どちらの定義の数字かを予算案に明記しておくと、説明が崩れません。

Q3.広告代理店の運用代行手数料の相場はいくらですか?

A3.広告の出稿費の15〜25%で、20%前後が多く見られます。多くの代理店は最低手数料を設けているので、出稿費が少ないと実質の手数料率は上がります。見積もりを比べるときは、手数料率と最低手数料、作業の範囲をそろえて比べてください。

Q4.同業より比率が高いと、経営陣に予算を削られませんか?

A4.比率が高いこと自体は、削られる理由になりません。大事なのは、増やした費用に対して受注や粗利がそれ以上に増えている、または増える見込みを数字で示せるかどうかです。どの施策が受注につながったかを追えていない場合は、先にその仕組みを整えます。

Q5.自社に過去のデータがない場合は、どうすればよいですか?

A5.まずは公的統計の同業・同規模の比率を仮の水準として使い、費目ごとの相場で見積もりを確かめます。半年から1年分の実績がたまったら、自社のデータに切り替えてください。仮の水準を使うときも、出典と定義を予算案に書いておくと、あとで見直すときの基準になります。

この記事の執筆者

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デジタルマーケティング立ち上げ・運用設計責任者

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