BtoBの商談化率・受注率の平均は?自社の数字が良いか悪いかを判断する
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自社の商談化率や受注率を出してみたものの、その数字が良いのか悪いのかわからないことがあります。平均値を探すと、記事によって数字が何倍も違います。必要なのは、分母と数え方をそろえてから外の水準と比べることです。
この記事では、調査で示されている商談化率の水準と、自社の数字との比べ方、比べた結果から手を打つ段階の決め方を紹介します。
- 調査で示されているBtoBの商談化率の水準と、平均値が記事ごとにばらつく理由
- 分母・商談の定義・経路をそろえて、自社の数字を外の水準と比べる手順
- 比べた結果から、どの段階に手を打つかを決める目安
BtoBの商談化率は15〜20%が多い。ただし分母・定義・経路をそろえないと比べられない
BtoBの商談化率は、調査では「15%以上〜20%未満」と答えた人が最も多く、20%未満が全体の約3分の2を占めます。一方、ホワイトペーパー経由のリードにしぼった調査では「3%以上〜5%未満」が最も多くなっています。
- コンサルティング・人材・金融・IT/SaaSの4業界で、BtoBのリード獲得に関わる1,008人に聞いた調査では、商談化率は「15%以上〜20%未満」が26.4%で最も多く、「20%未満」が66.4%でした(PRIZMA「業界別の商談化率」に関する調査、2026年9月)。
- 月5本以上のホワイトペーパーを公開しているBtoBマーケター501名に聞いた調査では、ホワイトペーパー経由の商談化率は「3%以上〜5%未満」が42.5%、「1%以上〜3%未満」が29.1%でした(PRIZMA「2026年度ホワイトペーパー活用の実態調査」、2026年4月)。
公表されている結果には、商談化率の分母や「商談」の定義までは示されていません。製造業などは対象に入っていません。
同じ商談化率でも、調査によって水準がこれだけ違います。ネットの記事に載っている平均値も、2〜5%、10〜20%、30%前後とばらばらです。違いを生むのは、次の3つです。
- 分母:リードを分母にするか、営業に渡したリード(MQL)を分母にするか
- 商談の定義:アポが取れた時点で数えるか、課題・予算・導入時期を聞けた時点で数えるか
- 経路:展示会の名刺、Webの問い合わせ、資料ダウンロードなど、どの経路のリードか
そのため、外の水準と比べるときは、この3つを自社とそろえてからにします。そろえたうえで、良し悪しは商談化率と受注率のバランスと、自社の推移で判断します。受注率やCVRの平均値は、調査の対象や時期まで示されたものがさらに少ないので、自社の中で比べる方法が中心になります。私自身、リードから受注までの件数と率を社内で報告したとき、「他社と比べてどうなのか」と聞かれたことがあります。外の水準を知っていたので、その場で答えられ、納得してもらえました。
平均値がばらつくのは、分母と「商談」の定義が会社ごとに違うから
外の水準と比べる前に、その数字が何を分母にし、何を1件と数えているかを確かめます。ここがずれたまま比べると、良し悪しの判断が逆になることもあります。
分母がリードかMQLかで、同じ会社でも15%と40%になる
商談化率は、分母に何を置くかで大きく変わります。たとえば、1年でリードが約285件、そのうち営業に渡したMQLが105件、商談が42件の会社なら、商談化率は次のどちらにもなります。
| 分母 | 計算 | 商談化率 |
|---|---|---|
| リード | 42件 ÷ 285件 | 約15% |
| MQL | 42件 ÷ 105件 | 40% |
同じ会社の同じ1年でも、分母を変えるだけで2倍以上の差が出ます。外の数字の分母が書かれていなければ、リードを分母にしたものかMQLを分母にしたものかはわかりません。分母がわからない数字は、参考の幅として見るにとどめます。
「商談」をアポで数えるか、課題・予算・時期を聞けたもので数えるか
商談化率と受注率は、「商談」をどこで数えるかで、どちらも動きます。アポが取れた時点で商談に数える会社は、商談化率が高く、受注率が低く出ます。面談して課題・予算・導入時期を聞けたものだけを数える会社は、その逆になります。
同じ社内でも、マーケと営業が別々の表で集計していると、数え方がずれることがあります。たとえば、マーケは「営業に渡した日」で、営業は「面談した日」で数えていると、同じ月の商談の数が合いません。
CVRは、何をCVにするかで桁が変わる
サイトのCVRも、何をCV(コンバージョン)に数えるかで、水準がまったく違います。問い合わせや見積もりの依頼は、相手にとって手間が大きい分、件数は少なくなります。資料ダウンロードやメルマガ登録は手軽な分、件数は多く出ます。
そのため、CVRは問い合わせ、資料ダウンロード、セミナーの申し込みのように、CVの種類ごとに分けて出します。外の数字と比べるときも、CVの種類が同じものとだけ比べてください。種類を混ぜた「サイト全体のCVR」は、手軽なCVが増えるだけで上がるので、良し悪しの判断には使えません。
計算例:経路ごとに分けると、全体の率だけではわからない良し悪しが見える
全体の商談化率は、どの経路のリードが多いかで上下します。そのため、外の水準と比べる前に、経路ごとに分けて率を出します。
たとえば、4つの経路でリードを集めている会社の1年分が、次のとおりだったとします(数字は説明のための架空の例です)。
| 経路 | リード | 商談 | 商談化率 | 受注 | 受注率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 展示会 | 120件 | 12件 | 10% | 3件 | 25% |
| Web広告 | 65件 | 11件 | 17% | 3件 | 27% |
| 自社サイト(問い合わせ・資料ダウンロード) | 60件 | 9件 | 15% | 3件 | 33% |
| メール・セミナー | 40件 | 10件 | 25% | 3件 | 30% |
| 合計 | 285件 | 42件 | 15% | 12件 | 29% |
全体の15%だけを見ると、調査で多かった15〜20%の下の端に見えます。ただし、リードの4割を占める展示会が10%で、全体を引き下げています。展示会を除くと、リード165件・商談30件で、商談化率は18%です。
経路の構成が変わると、どの経路も悪くなっていないのに、全体の率が下がることもあります。この会社が展示会のリードだけを2倍の240件に増やし、ほかの率がそのままだったとします。全体はリード405件・商談54件になり、商談化率は15%から13%に下がります。商談は12件増えているので、悪くなったわけではありません。全体の率が下がったときは、まず経路の構成が変わっていないかを確かめてください。
受注率は、社内のほかの経路と並べると、判断の材料になります。たとえば、紹介の受注率が50%、営業の開拓が25%なら、マーケ経由の29%は、その間にあると説明できます。紹介は、紹介した人との信頼が先にある分、受注率が高く出ることがあります。マーケ経由の受注率は、営業の開拓と比べて低すぎないかを見るのが現実的です。
自社の数字を外の水準と比べる4つのステップ
完成形は、上の計算例の表に「外の水準」と「自社の前年」の列を足したものです。Step1〜2で数字をそろえ、Step3〜4で表を埋めて読みます。
Step1:比べる相手の数字の、分母・定義・対象を確かめる
外の数字を使う前に、冒頭で挙げた分母・商談の定義・経路を確かめます。あわせて、調べた対象の業種や規模が自社に近いかと、調査の主体・対象・時期・人数が書かれているかを見ます。どれも書かれていない数字は、外の水準の候補から外します。
Step2:自社の数字を、同じ分母と定義で出し直す
外の数字に合わせて、自社の数字を出し直します。商談を「課題・予算・時期を聞けたもの」で数えている調査と比べるなら、自社もアポだけの件数を除いてから率を出します。
このとき、商談の件数は営業の商談管理表から取ります。マーケの手元の集計と営業の表で件数が違うなら、どちらの数え方で比べるかを先に営業と決めてください。
Step3:経路ごとに分けて、外の水準と並べる
経路ごとに商談化率と受注率を出し、外の水準の列に並べます。経路別の調査は、ホワイトペーパー経由のように一部の経路に限られます。外の水準が見つからない経路は、空欄のままで構いません。その経路は、Step4の自社の推移で判断します。
Step4:段階のバランスと自社の推移で読む
表が埋まったら、外の水準とのずれを見たうえで、次の2つを確かめます。
- 商談化率と受注率のバランス:片方だけが高い・低い段階がないか
- 自社の推移:前年や前の四半期と比べて、上がっているか、下がっているか
外の水準は条件が完全にはそろわないため、1〜2ポイントの差では良し悪しを決めません。自社の推移は条件がそろっているので、小さな変化でも理由を探す価値があります。率の出し方(期間の決め方や、件数が少ないときの扱い)は、KPI目標値の決め方|売上目標から商談数・リード数を逆算し、根拠を説明する方法 で解説しています。
外の水準は「データがないとき」に使い、手を打つのは低い段階だけにする
外の平均値は、自社にデータがないときの仮の率として使います。手を打つ段階は、商談化率と受注率のバランスで決めます。
私なら、外の平均を目標値の計算に使うのは、自社にデータがないときだけにします。自社の実績があるなら、分母も定義も経路もそろった比べる相手は、自社の過去です。立ち上げたばかりの経路や、記録を取り始めたばかりの段階では、外の水準を仮の率に置いて目標値を出し、件数がたまったら自社の率に置き換えます。自社のデータがそろってからは、外の水準は経営陣に説明するときの「幅」として使います。
比べた結果は、次の表で読みます。
| 商談化率 | 受注率 | 疑うこと | まずやること |
|---|---|---|---|
| 高い | 低い | アポの段階で商談に数えている。営業に渡す条件がゆるい | 商談の数え方と、渡す条件を営業と確かめ直す |
| 低い | 高い | 渡す条件が厳しすぎる。営業の連絡が遅れて、商談にならずに止まっている | 商談にならなかった理由を、営業から返してもらう |
| 低い | 低い | 集めているリードと、狙う顧客がずれている | 経路別に分け、受注につながっている経路を確かめる |
| 高い | 高い | 件数そのものが足りない | 率は今のまま保ち、受注につながっている経路のリードを増やす |
手を打つのは、低い段階だけにします。高い段階まで同時に変えると、何が効いたのかがわからなくなるからです。たとえば、メルマガの開封率が高いなら、件名は変えずに、本文からのクリックだけを改善の対象にします。
<!-- TODO(B-06公開後に入れる):KPIが目標に届かないときに、どの段階から手を打つかの判断の順番は、【B-06:KPI未達の対策】で解説しています。 -->
経営陣に説明するときの一文
自社の率を外の水準と並べて説明するときは、分母と経路をそろえて伝えます(数字は架空の例です)。
- 「当社の商談化率は、リードを分母にして15%です。調査では15〜20%が最も多い水準ですが、当社はリードの4割が展示会の名刺です。展示会を除くと18%で、その水準の中に入っています。」
- 「マーケ経由の受注率は29%です。紹介の50%と営業の開拓の25%の間にあり、営業の開拓より低くはありません。」
まとめ
BtoBの商談化率は調査では15〜20%が多い水準ですが、分母・商談の定義・経路で何倍も変わります。外の水準と比べるのは、この3つをそろえて、経路ごとに分けてからにします。良し悪しは商談化率と受注率のバランスと自社の推移で判断し、手を打つのは低い段階だけにします。
よくある質問
Q1.BtoBの商談化率の平均は何%ですか?
A1.4業界でBtoBのリード獲得に関わる1,008人に聞いた2026年の調査では、「15%以上〜20%未満」が最も多く、20%未満が約3分の2でした。ただし、分母がリードかMQLか、どの経路のリードかで、水準は何倍も変わります。比べる前に、分母と商談の数え方を自社とそろえてください。
Q2.受注率の平均はどのくらいですか?
A2.調査の対象や時期まで示された受注率の平均値は、少ないのが実情です。受注率は、「商談」をアポで数えるか、課題・予算・時期を聞けたもので数えるかで大きく変わります。紹介や営業の開拓など、社内のほかの経路の受注率と並べると、判断に使えます。
Q3.サイトのCVRは、平均と比べてもよいですか?
A3.問い合わせ、資料ダウンロード、セミナーの申し込みのように、CVの種類ごとに分けたうえでなら比べられます。種類を混ぜたサイト全体のCVRは、手軽なCVが増えるだけで上がるので、良し悪しの判断には使えません。外の数字も、CVの種類が同じものとだけ比べます。
Q4.自社のデータがない場合、どの率を使えばよいですか?
A4.外の水準を仮の率に置き、目標値を出します。そのうえで、リード・商談・受注の件数を経路ごとに毎月記録し、件数がたまったら自社の率に置き換えます。仮の率で出した目標値であることは、経営陣にも先に伝えておきます。
