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KPIツリーの作り方と例|作って終わりにしない、運用に生かせるツリーの設計のしかた

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目次

KPIツリーは描けたものの、現場の作業は変わらず、毎月の集計に追われていないでしょうか。気づけば、KGIに効かない数字が並んでいることもあります。必要なのは、毎月の運用で「どこに手を打つか」を決められる形に、ツリーを設計することです。

この記事では、運用に生かせるツリーにするための設計の注意点と、現場の作業とのつなげ方、今のツリーの見直し方を紹介します。

👉この記事でわかること
  • 運用に生かせるKPIツリーの完成形(数字ごとに書き足す4つの項目)
  • ツリーが運用に生きなくなる3つの症状と、設計で気を付ける5つの点
  • 現場の作業とツリーのつなげ方と、今のツリーの見直し方

KPIツリーは、毎月の運用で「どこに手を打つか」を決められる形に設計する

KPIツリーは、毎月ツリーを上から見て、届いていない枝を見つけ、次の打ち手を決めるための道具です。運用に生かすには、次の4つがそろっている必要があります。

  1. KGIまで、数字が掛け算と足し算でつながっている
  2. 毎月、無理なく数字が集まる
  3. 増減がわかるだけの件数がたまる間隔で見ている
  4. 現場の作業とつながっている

見落としやすいのは、2つ目です。数字を増やすほど、集計の手間も増えていきます。私自身も、以前はKPIを複数持たせていて、毎月の集計にかなり時間を取られていました。

運用に生かせるツリーは、ツリーの数字の1つずつに、次の4つを書き足した1枚が完成形です。

書き足す項目書くこと例(KPIが「マーケ経由の商談」の場合)
目標上の数字と計算でつながる目標値。件数の少ない数字は、月別や四半期別にも置く年間の件数と、四半期ごとの件数
出どころどの表の、どの数字を写すか営業の商談管理表の「きっかけ」の列
見る間隔毎月・四半期・開催ごとのどれか毎月(累計で判定)
届かないときの打ち手期初に1つ決めておく下の枝から、届いていない数字を探す

運用に生きないKPIツリーには、3つの症状がある

ツリーが運用に生きなくなるときは、次の3つの症状のどれかが出ています。自社のツリーに当てはまるものがないか、先に確かめてみてください。

症状起きること原因
現場とつながらない数字を配っても、メンバーの日々の作業が変わらない作業と、ツリーのどの数字がつながっているかが書かれていない
管理しきれない集計が毎月重く、担当が決まらない数字が責任者に集まる。作り込みすぎたツリーは、引き継いだ人が理解できずに止まることがある見る数字の数を、人数と集計の時間から決めていない。出どころのない数字も載っている
KGIに効かない行動目標が、KGIにつながる数字と同じように並ぶ数字の設定を本人に任せたまま、KGIまでのつながりを確かめていない

運用に生かせるKPIツリーにする設計の注意点

3つの症状のうち、「管理しきれない」と「KGIに効かない」は、ツリーを設計するときに防げます。気を付ける点は、次の5つです。「現場とつながらない」は、次の章で扱います。

KGIまで、掛け算と足し算でつながる数字だけを枝にする

ツリーの枝には、上の数字を計算で動かせる数字だけを置きます。例の会社なら、つながりは次のとおりです。

  • 受注=商談×受注率
  • 商談=リード×商談化率
  • リード=展示会・Web広告・自社サイトなど、チャネルごとのリードの合計

注意したいのは、メンバーが「できそうなこと」を数字にしてしまう場合です。たとえば、問い合わせ数を増やすための数字に、「事例を〇本公開する」「メルマガを期日どおりに配信する」が並ぶことがあります。達成しても、問い合わせが増えるとは限りません。本人に設定を任せ、上司が微調整しかしない職場では、こうした行動目標が並びやすくなります。

枝に載せる前に、「この数字が増えると、上のどの数字が増えるか」を一文で言えるかを確かめます。言えない数字は枝にしません。事例の公開やメルマガの配信は、数字を動かすための作業として、現場の作業表に置きます。

毎月見る数字の数は、人数と集計の時間から決める

毎月見る数字は、チームで集計できる時間の中に収めます。数字が1つ増えるたびに、写す場所を開いて転記する手間が1つ増えるからです。まず、集計と報告に月何時間かけられるかを決め、そこから毎月見る数字の数を逆算します。

判断の分かれ目は、マーケの人数です。

  • 2名以上:KPIと、その手前の数字、チャネルの数字から5つほどを毎月見る
  • 1名:まずはKPIの累計、2営業日以内の連絡、リードの累計の3つを毎月見る。チャネルの数字は、四半期にまとめて見る

毎月見ない数字も、ツリーからは消しません。四半期や開催ごとに見る数字として残します。

📌注意:責任者が一人で抱える数字を増やさない

少人数のチームで、数字1つずつに担い手を決めるのは難しいものです。とくにスキルの関係で担い手がいない数字は、すべて責任者が追うことになりがちです。すると責任者は激務になり、管理が雑になって、管理しきれなくなります。上層部に相談して数字を減らしてもらえたり、他部署に協力を頼めたりすることもあります。頼めないときは、枝そのものを減らし、毎月見る数字を絞ります。

営業が動かす数字を1本だけ入れておく

ツリーには、営業が動かす数字を1本だけ入れておきます。たとえば「マーケが渡したリードに、営業が2営業日以内に連絡したか」です。渡したリードに営業がすぐ連絡しないと、商談は増えません。この数字は、毎月の会議で営業の責任者と一緒に見ます。

😄私が営業の数字をツリーに入れて協力をお願いしたとき、営業の受け止め方は人それぞれでした。快く引き受けてくれる人もいれば、マーケのリードから決まった契約が誰の成果になるのかを気にする人もいました。それでも、営業と数字がつながると、数字がはっきりして、やりがいにもつながります。ボトルネックも明確になるので、マーケも営業も日々の判断や作業の効率が上がります。

数字は、出どころを決めてから載せる

ツリーに載せる数字は、どこから写すかを先に決めます。出どころが決まらない数字は、毎月の集計で止まります。CRMやMAがない会社でも、今ある表から写せる数字は多くあります。

数字出どころの例
商談・受注営業の商談管理表(「きっかけ」の列を足してもらい、マーケ経由かどうかを見分ける)
営業への受け渡し営業に渡したリードの一覧(連絡した日を営業に記入してもらう)
Web広告のクリック・リード広告の管理画面、または代理店の月次レポート
自社サイトの資料DL・問い合わせGA4(イベントを設定しておく)
展示会のリード名刺の入力表
ウェビナーの申し込みメール配信ツール

GA4のように、チームがまだ使い慣れていない数字は、どの画面のどの数字を写すかを1行で書いておきます。1行で書けない数字は、今期はツリーに載せません。

件数が少ない枝は、見る間隔を変える

件数が少ない数字を毎月見ると、1件の増減で達成率が大きく変わります。枝ごとに、増減がわかるだけの件数がたまる間隔を決めます。

数字の性質例見る間隔
毎月少しずつ出るが、件数が少ない商談、自社サイトのリード毎月見るが、判定は累計で行う
月に数件しか出ない小さな予算のWeb広告のリード四半期。毎月は、その手前のクリックを見る
開催したときにまとめて出る展示会、ウェビナー開催ごと

展示会の多い会社では、商談が展示会のあとの数か月に集中します。展示会の前に商談が少なくても、予定どおりのことがあります。月の数字だけで判断すると、慌てて打ち手を変えることになります。その月までの累計を、月別の目標の累計と比べて判断します。

現場の作業は、ツリーの数字を1つ書き添えてつなぐ

現場とツリーをつなぐには、メンバーの毎週の作業表に、その作業が効く数字を1列だけ書き添えます。たとえば、次のような形です。

今週の作業効く数字
展示会の名刺を入力し、お礼メールを送る展示会のリード
リードの一覧を営業に渡し、連絡の有無を確かめる営業の2営業日以内の連絡
ホワイトペーパーの告知を入れたメルマガを配信する自社サイトのリード
導入事例を1本公開する自社サイトのリード

事例の公開やメルマガの配信のような行動は、ここに置きます。作業の横に効く数字を書いておくと、作業とツリーがつながります。作業表はメンバーが毎週見て、効く数字が届いていない枝の作業から先に手を付けます。

毎月の会議では、ツリーを上から見ます。

  1. KPIの累計を、目標の累計と比べる
  2. 届いていなければ、その月に見る枝から、届いていない数字を1つ探す。四半期や開催ごとに見る枝は、その時期の会議でだけ判定する
  3. その枝の作業表を見直し、届かないときの打ち手を実行する

この流れは、マーケティングの報告書で来期の予算を獲得する|1年の振り返りを、経営陣が決められる5枚にまとめる6ステップ で紹介している月次報告の型と同じです。

ツリーの数字を、そのまま個人目標にするのは避けます。個人目標に寄せすぎると、メンバーは自分の目標のことだけをするようになります。協力もお願いしにくい空気になり、自分でできる範囲の仕事にとどまりがちです。

今のKPIツリーが運用に生かせるかは、5つの点で確かめて直す

すでにツリーがある場合は、作り直す前に次の5つを確かめます。当てはまった項目から、右の列のとおりに直します。

確かめること当てはまったときの直し方
KGIまで計算でつながらない数字(行動目標など)が、枝に入っていないか枝から外し、効く数字を添えて作業表に移す
毎月見る数字が、集計できる時間を超えていないか毎月見る数字を5つほどに絞り、残りは四半期に回す
出どころが決まっていない数字はないか写す場所を1行で書く。書けなければ、今期は外す
件数が少ないのに、その月の数字だけで判定している枝はないか判定を累計に変えるか、見る間隔を四半期・開催ごとに変える
作業表に、ツリーのどの数字に効くかが書かれていない作業はないか効く数字を1列足す。どの数字にも効かない作業は、続けるかを見直す

外した数字や、見る間隔を変えた数字は、次の会議でメンバーに伝えます。「作業表に移す」「四半期に見る」のように数字の置き場所を示すと、メンバーの作業は止まりません。

メンバーに説明するときの一文

ツリーをメンバーに渡すときは、チームで追う数字と、作業表の見方を一緒に伝えます。

  • 「チームで追うのは、マーケ経由の商談の数1つです。毎月の会議では、ツリーを上から見て、届いていない枝の作業を1つ変えます。」
  • 「作業表の右の列は、その作業がツリーのどの数字に効くかを書いたものです。個人の目標とは分けて考えてください。」

まとめ

  • KPIツリーは、毎月「どこに手を打つか」を決めるための道具です。数字ごとに、目標・出どころ・見る間隔・届かないときの打ち手を書き足した1枚にします。
  • 枝はKGIまで計算でつながる数字だけにし、毎月見る数は集計できる時間から決めます。
  • 行動は作業表に置き、効く数字を書き添えて、現場とツリーをつなぎます。

よくある質問

Q1. マーケが1人でも、KPIツリーは作れますか?

A1. 作れます。1人なら、毎月見る数字をKPIの累計、営業への受け渡しの数字、リードの累計の3つから始めます。チャネルの数字は四半期にまとめて見て、集計の時間を増やさないようにします。

Q2. MQLは、いつツリーに入れればよいですか?

A2. MAなどでリードの行動を記録でき、営業に渡す条件を営業と決めてからです。それまでは、リードと商談化率で見れば足ります。

Q3. CRMやMAがないと、KPIツリーは管理できませんか?

A3. 営業の商談管理表、GA4、広告のレポートなど、今ある表で管理できます。商談管理表に「きっかけ」の列を足してもらえば、マーケ経由の商談と受注を数えられます。集計の手間が、かけられる時間に収まらなくなったら、ツールを入れる時期です。

Q4. 期の途中からでも、KPIツリーは作れますか?

A4. 作れます。KGIとKPIの目標は、今期末までの残りの期間の数字で置きます。今期のここまでの実績を横に並べ、残りの期間の目標として経営陣と営業の責任者に共有しておきます。

この記事の執筆者

coconeco
coconecoLead Manager

デジタルマーケティング立ち上げ・運用設計責任者

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